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2023-11-09 11:40:00
昨日から柏のパレット3階にて「共晶点」が始まりました。
今年の2月に逝去された松隈健太朗氏の作品を会場のスペースの半分を使い大きく取り扱っています。松隈氏は柏の葉アトリエ所属として当企画の一回目から出品されている彫刻家です。
僕と松隈さんとは、僕が大学3年時に間借りさせてもらう形で入った流山のアトリエ(現柏の葉アトリエ)でご一緒してから僕が現在のアトリエに移るまでの10年ほどを同じ空間で作品作りをする間柄でした。
それぞれ作品を制作する場所なので基本的には自分のブースで黙々と作業に打ち込むわけですが、休憩のタイミングが合った時やその時々の雑談、仕事のお誘いやアトリエの引越し、夏に屋根の上でみんなで見た花火、年末の大掃除や休憩室での鍋、、10数年の間に色んなことがありました。そんなアトリエでの日常にはいつも松隈さんがいました。社交的とは言い難い僕でも自然と気さくになんでも話せる雰囲気を松隈さんは持っていて、彫刻が好きな同じ仲間同士として接してくれている居心地の良さを感じていました。大学を出て作品作りを続けていくリアルな先輩としてその後ろ姿を追っている面もありました。松隈さんとのアトリエでの交流は、僕の作家人生において得難い縁でした。
どれだけ言葉を紡いでも表現できないものは、これから長い時間をかけて、ものを作りながらゆっくりとおさめていくことになるのかなと思います。
松隈さんの作品は夏に市原湖畔美術館で展示した作品の他にも、連作の木彫やドローイングの作品なども展示しています。それぞれの作家さんの多種多様な素材や表現も例年と変わらず見応えがあります。柏近隣にお住まいの方は是非是非足をお運びください。
日曜日12日までとなります。